佐束ファーム|静岡県掛川市|集落営農法人

会社案内

基本情報
会社名 有限会社 佐束ファーム(サズカ ファーム)
所在地 〒437-1403 静岡県掛川市岩滑1379-1
電話 0537-63-2360
FAX 0537-63-2367
代表者 代表取締役 飯田 政明
設立年月日 平成12年3月1日
資本金 500万円
出資者数 10人
役員・従業員 役員3人、従業員2人、アルバイト9人、他に委託先多数
事業内容 農作物の生産・加工販売・農作業受託
経営面積
自社所有 1ha
借地 中間管理機構契約 70ha
地権者直接契約 6ha
合計 77ha
作付面積
主食用米 コシヒカリ 7ha
きぬむすめ 12ha
もち 0.5ha
飼料用米 どんとこい 13ha
秋俵 44ha
14ha ※麦は飼料用米との2毛作
レタス 0.5ha
合計 91ha
佐束の水稲農業の経緯と将来

終戦後、食べるためにどこの家でも農業(稲作)を行っていた時代から70年余りが過ぎ、現在では農業の担い手が激減しています。それにもかかわらず、田んぼを持っている地権者(地主)は終戦後と同じ数だけいます。しかも、そのほとんどが「土地もち非農家」と言われる方々です。
しかし、農地が放棄されてしまうと地域が潰れてしまいます。放棄はしてはいけないが、耕作者はおらず、その一方で地主は大勢いる。
この矛盾との戦いの歴史が、水稲農業の歴史そのものです。
この70年の間に、岩滑でも2度程、「放棄やむなし」という危機的な状況に直面しています。
それを何とか地域の力で切り抜けてきました。その原動力が、先代たちの築いてくれた岩滑の団結力(チーミワーク)です。
佐束ファームの拠点である掛川市岩滑(佐束)地区の水稲農業の経緯をご紹介します。

佐束ファーム第1期(2000年〜2009年)

設立は平成12年です。佐束ファームと名乗っていましたが農地は岩滑集落内だけで言ってみれば岩滑ファームでした。水稲団地の終わりの頃は、中心となる農業者(「役員」と呼んでいました)がいなくて地域としても困り果てました。これが岩滑農地荒廃危機の1回目でした。
そんな状況の中、法人化の話がでて何と4名の方が名乗り出てくれました。この4名で有限会社佐束ファーム(農業法人)が設立され、岩滑38haの農地が荒廃から守られました。

水稲団地の農機具を新しい農業法人に引き継ぎ、順調な滑り出しでした。しかし設立8年めくらいから雲行きがあやしくなってしまいました。
農業者の高齢化、人数も4人から2人へ、米価の下落にも見舞われ、経営自体が不安定になってしまいました。田んぼの貸借契約が10年間でしたので、後2年後には田んぼが各地主に戻ってきてしまうことを本気で心配しました。これが岩滑農地荒廃危機の2回目でした。

農地が戻ってきても何も出来ないわけですから荒廃は目にみえていたことになります。
そこで地域でいろいろな話し合いが行われ第2期へ繋げることが出来ました。

佐束ファーム第2期(2010年〜2020年)

第1期が10年、1期の体制をそっくり入れ替える形で従業員3名、バイト3名で第2期のスタートを切りました。何とその6名は全員農業素人でしたので、前任者や外部の方に教えてもらいながらの栽培でした。
今はこの第2期の11年目、設立の第1期からは21年目になります。従業員も3名から5名になっています。
2年目にライス施設を建設したのが契機になりJAさんからの巣立ちができ、経営も順調にきています。

この第2期は岩滑集落だけの農地から佐束全体の農地へ規模拡大をはかり、言ってみれば名実ともに佐束ファームに生まれかわる期となります。
岩滑38haから佐束80haへ規模拡大の予定ですが、ただ拡大(高齢者だけの拡大)では長続きしませんので、若い人が食べていける農業に質的改革も必要で、地域のみんなの協力も得ながら集積したり、基盤整備を行ったり、設備投資したり、採用したり、さまざまなことを行う必要があり、現在進行中です。
これしか佐束地域の農地を荒廃から守るすべはないと確信しながらやっています。

佐束ファーム第3期(将来)

第3期は、私たちが頭の中で描いている未来像です。この時期には「若い人が食べていける農業」が実現化しています。耕作面積は80-90haで、1人あたり約15ha。6名前後の若い世代(60歳前後)が中心で高齢者は支援に回っています。基盤整備も完備、集積も既に完了。こうした状態だからこそ1人あたり15haの耕作が可能です。
通常、稲作だと冬は仕事がほとんどないので、野菜栽培にも取り組んでいます。それは遠州地方ならではの強みでもあります。
こうして佐束の農地を守り続ける一方で、国内の他の地域の農地荒廃は急速に進み、農業の価値が飛躍的に向上すると推察します。

『地域の農地を荒廃させない。』『街をつぶさない。』『農業の価値が向上する。』
私たちのまち・掛川にはそんな明るい未来が待っています。